事業見直し委員会

事業見直し委員会 報告書(要旨)(4種委員会について)

 
主旨

人間性豊かなスポーツライフを実現するための指針の設定。
バーンアウト症候群や熱中症・スポーツ障害を予防し、子供の完成期において心身共に健全で優秀な選手をを育成するための指針の設定。
検討内容

サッカーを楽しみながら技術の向上をはかり、将来の完成期に向かって子供たちを大きく育てるためには、長期視野に立って計画性のある一貫した指導を受け入れられる環境が必要である。また将来も楽しくサッカーを続けるためには、怪我やこの年代に多いスポーツ障害を起こさせないようにしなければならない。選手のスポーツ障害・外傷・熱中症予防の視点から、練習時間・試合数・練習時の注意などを中心に検討を行った。

1)練習・試合の時間/回数

試合数は1日1試合が好ましいが仕方なく2試合行うときには休憩(最低1~2試合分以上)を取らす必要がある。ただ連日2試合ずつを行わせるのは可能な限り避けるべきであり、今後の大会運営で十分に配慮されることが好ましい。

2)練習・試合時の注意事項

水分接取・塩分摂取 運動中の体重減少は大部分発汗によるものと考えてよい。そのため、体重減少を起こさない計画的な水分摂取が運動中に必要となる。さらに発汗時は塩分(Na,Cl)も喪失するため、塩分の補給が必要である。発汗により体重が3%減少すると、運動能力や体温調節能力の低下をもたらす。
夏の練習・試合・合宿時の注意 気温・湿温計によるWBGT(環境温)に十分注意して、試合・練習の中止を含めて、試合・練習時間帯の考慮や短縮を行うようにすることが必要である。
早朝練習の注意 早朝は夜間の発汗や水分摂取がないためかなりの脱水状態(夏期)になっている。また、朝食の有無・時間を考えると低血糖にもなっている場合が多く、運動に適していないと言うよりはむしろ危険な状態であり散歩か体操程度にすべきである。
3)シーズン制について

練習を長期に休む事は怪我やスポーツ障害の予防・治療に必要である。また、次のトレーニングの質を上げる重要な要素である。練習量の多いチームにとっては3~4週間練習をしない時期を作る必要がある。また、長期の休養がとれるように大会開催やトレセン活動も一定期間行わない時期を作るべく検討する必要がある。

4)指導者への要望

小学生の時に獲得した技術は大人にとっても必ず残る「財産」であるが、その時期に獲得した体力は大人にとっても必ず残っている財産である保証はない。この年代で勝敗を競うことは「最終目的」ではなく、もっと大きな目標である「完成期に向けた選手育成」にとっての「手段」であり、目先の勝利より有能な選手の将来の可能性を伸ばすような指導をしていただきたい。また、自分の経験だけによる指導ではなく、指導者講習会などへの参加により常に新しい知識を得るとともに、外傷に対する救急処置やスポーツ障害に対する認識を深め、スポーツ障害や熱中症などを起こさせないような選手指導をしなければならない。